S14シルビアの買取相場の旧車買取・査定解説アイキャッチ画像

S14シルビアの買取相場|不人気車と言われたS14はなぜ高騰したのか?

S14シルビアと聞いて、どのようなイメージを持っているでしょうか。

シルビアと言えばS13。

あるいは完成形とも言われるS15。

その間に挟まれたS14は、どこか影が薄い存在という印象を持っている人もいるかもしれません。

実際、当時を知る人ほど、

「S14って昔そんなに人気あったっけ?」

と思うのではないでしょうか。

ところが現在、そのS14は驚くほど価値を上げています。

かつては50万円前後で買えた車両が、今では数百万円。

状態の良い個体になると500万円近い価格で販売されていることも珍しくありません。

昔を知る人からすると、正直かなり意味の分からない状況です。

なぜS14はここまで再評価されたのでしょうか。

今回は、そんなS14シルビアの歴史や人気の理由、そして現在の買取相場についてお話ししていこうと思います。


S14シルビアが登場した時代背景

S14シルビアの買取相場の旧車買取・査定ポイントを解説するイメージ

S14シルビアが登場したのは1993年。

ちょうどバブル崩壊後、日本全体が不景気へ向かっていた時代です。

とはいえ、自動車業界はまだ元気でした。

各メーカーは、

  • R32・R33 GT-R
  • スープラ
  • RX-7
  • NSX
  • ランサーエボリューション
  • インプレッサWRX

など、今では伝説級と言われるスポーツカーを次々と投入していました。

今振り返ると、

「よくあんな時代があったな」

と思うほど、メーカーが本気でスポーツカーを作っていた時代です。

そんな中、日産のFRスポーツとして存在感を放っていたのがシルビアでした。


なぜS14は不人気だったのか

S14シルビアの買取相場 なぜS14は不人気だったのかの解説イメージ

今では高騰しているS14ですが、発売当初の評価は決して高くありませんでした。

むしろ当時を知る人ほど、

「S14ってあまり人気無かったよね」

という印象を持っていると思います。

実際、中古車雑誌や車好きの間でも、S13や後に登場するS15ほどの盛り上がりはありませんでした。

その理由はいくつかあります。


5ナンバーから3ナンバーになった

一番大きかったのはこれです。

S13までのシルビアは5ナンバーサイズでした。

コンパクトで軽く、スポーツカーらしいサイズ感が魅力でもありました。

ところがS14ではボディサイズが拡大され、3ナンバー化されます。

今の感覚だと、

「別に普通じゃない?」

と思うかもしれません。

ですが当時は少し事情が違いました。

まだ税制改正からそれほど時間が経っておらず、

「3ナンバー=高級車」

というイメージが色濃く残っていた時代です。

そのため、

  • 維持費が高そう
  • 車が大きくなった
  • 重そう
  • スポーツカーらしくない

という印象を持つ人も少なくありませんでした。

実際、当時の車雑誌でも

「5ナンバーのままでいてほしかった」

という声はかなり多かったように思います。


「デブシルビア」と呼ばれた時代

ボディ拡大の影響もあり、S14はかなり辛口な評価を受けていました。

有名なのが、

「デブシルビア」

というあだ名です。

今では考えられませんが、本当にそう呼ばれていた時代がありました。

S13が持っていた、

  • シャープさ
  • 軽快感
  • コンパクト感

が薄れたと感じる人も多かったのです。

ただ面白いことに、現在S14を評価している人の多くは、

「あのサイズ感がちょうど良い」

と言っています。

時代が変わると価値観も変わるものです。


GT-R全盛期だったことも不運だった

S14シルビアの買取相場 GT-R全盛期だったことも不運だったの解説イメージ

そしてS14が少し不遇だった理由として、

時代が悪かった

という部分もあります。

当時の日産には、

  • R32 GT-R
  • R33 GT-R

という圧倒的な存在がいました。

搭載されるのは伝説のRB26DETT。

当時の車好きなら誰もが憧れたエンジンです。

当然ながら、

「シルビアかGT-Rか」

という比較がされることになります。

もちろん価格も性能も全く違う車なのですが、当時の車好きは容赦ありません。

その結果、

「やっぱりGT-Rだよね」

という空気が強かったんです。


SR20DETは今ほど評価されていなかった

今ではSR20DETを名機と呼ぶ人は多いです。

しかし当時は必ずしもそうではありませんでした。

何かと比較対象になったのがRB26です。

直6ツインターボのRB26に対して、SR20は4気筒ターボ。

排気音もかなり違います。

特にSR20独特の排気音は、

「ゲロゲロ音」

なんて言われることもありました。

当時の車雑誌や走り屋界隈でも、

「音はRBの方が良い」

という意見はかなり多かったと思います。

ただ、これも時代が変わりました。

現在では、

「あのSRサウンドが懐かしい」

という人が非常に増えています。

昔は欠点と言われていた部分が、今では個性として評価されているんです。


それでもドリフトシーンでは圧倒的人気だった

S14シルビアの買取相場 それでもドリフトシーンでは圧倒的人気だったの解説イメージ

ただし、一般ユーザーからの評価とは別に、

ドリフトシーンではS14は圧倒的人気でした。

理由は単純です。

速かったからです。

しかも、

  • 安い
  • パーツが豊富
  • 壊れても直しやすい
  • FR
  • SR20DET

という、ドリフトに必要な条件が揃っていました。

当時のサーキットや峠へ行くと、本当にS14だらけでした。

むしろ、

「ドリフトやるならS14」

という時代があったくらいです。

そして、このドリフト文化こそが、後にS14の価値を大きく押し上げることになります。


シルエイティとワンビアという文化

S14シルビアの買取相場 シルエイティとワンビアという文化の解説イメージ

90年代後半から2000年代初頭のドリフト文化を語る上で欠かせないのが、

シルエイティとワンビアです。

シルエイティは、

180SXの車体にシルビアのフロント周りを移植した車。

逆にワンビアは、

シルビアの車体に180SXのフロント周りを移植した車です。

今の若い人からすると、

「何でそんなことするの?」

と思うかもしれません。

でも当時はそれが普通でした。

なぜなら事故が多かったからです。

ドリフト車は、

  • フロントをぶつける
  • リアをぶつける

が日常茶飯事。

そこで使える部分を組み合わせて復活させた結果、

シルエイティやワンビアが生まれました。

本来は事故修理から始まった文化だったのですが、その独特なスタイルが人気となり、やがてドリフト文化そのものを象徴する存在になっていきます。


頭文字Dが全国区にした

S14シルビアの買取相場 頭文字Dが全国区にしたの解説イメージ

シルエイティと言えば、やっぱり頭文字Dです。

佐藤真子と沙雪。

このコンビに憧れた人も多かったと思います。

シルエイティが全国的に有名になったのも、この作品の影響が非常に大きいです。

そして面白いことに、当時この漫画やドリフト天国を読んでいた世代が、現在ちょうど40代前後になっています。

つまり、

「若い頃の憧れを買い戻す世代」

になっているんです。

これも現在のシルビア高騰へ大きく影響していると思います。


S15高騰がS14を押し上げた

S14シルビアの買取相場の買取相場と査定額を確認するイメージ

現在のS14高騰を語る上で、避けて通れないのがS15シルビアの存在です。

正直に言うと、今のS14人気ってS15抜きでは説明できません。

S15はシルビアシリーズの最終型。

しかもデザインも非常に完成度が高く、

「シルビアの完成形」

なんて言われることもあります。

当然ながら人気も高く、価格もどんどん上昇していきました。

少し前まで200万円前後で買えた車両が、今では500〜700万円。

状態によってはそれ以上という世界です。

そうなると何が起こるか。

当然、

「S15は欲しいけど高すぎる」

という人たちが出てきます。

そこで注目され始めたのがS14です。

同じSR20DET。

同じFR。

同じシルビア。

しかも価格はS15より安い。

こうしてS14へ流れてくる人が増え始めました。

実際、ここ数年の相場上昇を見ると、

S15が上がる

S14が上がる

S13が上がる

という流れがかなり分かりやすく見えます。


海外人気も価格上昇を後押ししている

S14シルビアの買取相場 海外人気も価格上昇を後押ししているの解説イメージ

最近の旧車高騰でよく聞く言葉があります。

それが、

「海外需要」

です。

S14も例外ではありません。

特に、

  • アメリカ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド

などでは非常に人気があります。

理由は単純で、

日本の90年代スポーツカーが世界的に評価されているからです。

日本人からすると、

「昔その辺にいた車」

なんですが、

海外の人からすると、

「憧れのJDMスポーツカー」

なんですよね。

特にシルビアは、

  • FR
  • ターボ
  • マニュアル
  • チューニングベース

という要素が揃っています。

海外のドリフトシーンでも人気が高く、今でも現役で走っている車両をよく見かけます。

そして海外で人気が出ると、日本国内の流通台数は減ります。

結果として、

国内の綺麗な個体の価値も上がっていく。

これが現在の高騰理由のひとつです。


S14前期と後期の違い

S14シルビアの買取相場 S14前期と後期の違いの解説イメージ

S14シルビアを語る上で欠かせないのが、

前期と後期の違い

です。

実はS14は1996年にマイナーチェンジを受けています。

一般的には、

  • 前期(1993年~1996年)
  • 後期(1996年~1998年)

に分けられます。

そして現在の中古車市場では、後期の方が人気が高い傾向があります。


前期型の特徴

S14シルビアの買取相場 S14前期と後期の違いの解説イメージ

前期型は丸みを帯びたデザインが特徴です。

特にフロントマスクは、

どちらかというと大人しい印象があります。

当時の車好きからは、

「少しおとなしい」

「迫力が足りない」

と言われることもありました。

しかし最近は、

90年代らしいデザインとして再評価されつつあります。

また、ドリフト全盛期に活躍していた車両の多くは前期型だったため、

当時を知る世代から根強い人気があります。


後期型の特徴

S14シルビアの買取相場 S14前期と後期の違いの解説イメージ

後期型になるとフロント周りが大きく変更されます。

ヘッドライトはよりシャープになり、

バンパー形状もスポーティになりました。

今見てもかなり精悍な顔つきです。

S13のシャープさを求めていたユーザーからも評価が高く、

現在では

「S14なら後期」

という人も少なくありません。

また、

  • エアロパーツ
  • 純正オプション

なども人気が高く、

中古車市場でも後期型は相場が高めです。


買取相場も後期が有利

当然ですが人気が高い分、

買取相場も後期型の方が高くなる傾向があります。

特に、

  • 後期K’s
  • 純正5速
  • 修復歴なし

この条件になると相場は大きく変わります。

一方で前期型にも魅力があります。

特に当時のドリフト文化を知る世代からすると、

「前期こそシルビア」

という人も少なくありません。

そのため、

前期だから安い

後期だから高い

という単純な話ではなく、

状態や仕様によって評価が変わるのが現在のS14市場です。

実は今後注目されるのは前期かもしれない

面白いことに、

最近は前期型を探している人も増えています。

理由は単純で、

後期が高くなりすぎたからです。

これは現在のS14市場で起きている現象ですが、

後期高騰

前期再評価

という流れが少しずつ出始めています。

実際、綺麗な前期K’sや純正状態の個体はかなり減っています。

そのため将来的には、

「後期より前期の方が見ない」

という状況になる可能性もあります。

S14の前期と後期は単なるマイナーチェンジではなく、

現在の価値や買取相場にも大きく影響しているポイントのひとつと言えるでしょう。


現在のS14シルビア買取相場

S14シルビアの買取相場の買取相場と査定額を確認するイメージ

では実際にS14はいくらくらいで売れるのでしょうか。

もちろん状態によって大きく変わります。

ただ、現在の大まかな相場感としてはこんな感じです。

Q’s(NAモデル)

20〜80万円前後

状態やミッションによって変動します。


K’s AT

50〜180万円前後

比較的手の届きやすい価格帯です。


K’s MT

80〜200万円前後

現在最も人気があるゾーンです。


後期K’s MT

120〜300万円前後

状態が良ければさらに高額になることもあります。


極上車・低走行車

350万円超えも

珍しくない時代になってきました。

昔を知っている人からすると、

「シルビアが350万円?」

と思うかもしれません。

でも実際にその価格で売買されている車両もあります。

時代は本当に変わりました。


高額査定になりやすいポイント

S14シルビアの買取相場 高額査定になりやすいポイントの解説イメージ

現在のS14市場で特に評価されるポイントがあります。

まず一番大きいのは、

純正5速マニュアル

です。

やはり人気があります。

今ではオートマ車をマニュアル化するにもかなり費用が掛かります。

昔のように気軽に載せ替えできる時代ではありません。

そのため、

最初から純正MT

というだけで価値があります。

次に重要なのが、

修復歴なし

です。

S14はドリフトベースとして使われた個体も多いため、

事故歴の無い車両は年々減っています。

というか、S14シルビア(特にMTのK’s)の修復歴なし車は奇跡の一台と言っても過言ではないでしょう。

さらに、

オリジナル塗装

も評価されやすいです。

最近の旧車市場では、

「綺麗に塗られた車」

より、

「当時のまま残っている車」

が好まれる傾向があります。

他にも、

  • ワンオーナー
  • 記録簿あり
  • フルノーマル
  • 純正オプション

などもプラス査定につながります。

特に純正状態の個体は本当に少なくなりました。


売却時に注意したいこと

S14シルビアの買取相場のエンジンルームや機関状態を確認する査定イメージ

そしてS14を売る時に気を付けてほしいことがあります。

それは、

「普通の買取店だけで判断しない」

ということです。

S14は今や普通の中古車ではありません。

一般店では、

  • 年式が古い
  • 距離が多い

という見方をされることもあります。

ですが実際には、

  • K’sかどうか
  • MTかどうか
  • 後期かどうか
  • 純正状態かどうか

などで価値が大きく変わります。

特に旧車やネオクラに詳しい専門店では、

全く違う査定額になることもあります。


S14を査定に出す前にあわせて確認したい記事

長期保管車の始動や純正部品の取り外し、外装の磨き方には注意が必要です。旧車・ネオクラを売る前にやってはいけないこともご確認ください。

同じ90年代の国産GTが再評価される背景は、三菱GTOの買取価値と前期・中期・後期の違いでも解説しています。

まとめ

S14シルビアの買取相場 まとめの解説イメージ

S14シルビアは発売当初、

決して人気車とは言えませんでした。

3ナンバー化。

大型化。

GT-R全盛期。

さまざまな理由から不遇な時代もありました。

ですが、

  • ドリフト文化
  • 頭文字D世代
  • S15高騰
  • 海外人気

などが重なり、

現在では完全に再評価されています。

昔は安かったからこそ、綺麗な個体が少ない。

だから今価値がある。

それがS14という車なのかもしれません。

そして今後も、

状態の良い個体はさらに減っていくと思います。

もし現在S14を所有しているなら、

一度現在の価値を確認してみるのも面白いかもしれません。

当時は想像もしなかった査定額になる可能性があります。

カークレスト店長 河野竜次

1988年生まれ。 山口県宇部市を拠点に、旧車・ネオクラシックカーを含めた在庫100台規模の中古車販売店「CAR CREST」の店長として買取・販売を行っている。小学生時代から原動機に興味を持ち、車の他農機具や2輪車など機械の分解整備を行っていた。現在は、国家自動車整備士資格およびAIS検定資格を保有。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

lancur70

ランクル70の買取相場|旧型・再販・再再販で価値が変わる理由

blog21

ホンダS2000は「9000回転のエンジン」だけでは語れない|AP1・AP2の違いと現在の買取価値

blog17_1

今から10年後に値上がりする車種5選|2036年に再評価される平成スポーツを独断予想

PAGE TOP